香川県高松市でかみ合わせ専門の歯科医院 吉本歯科医院の院長をしております吉本彰夫です。
私の医院には数件の歯医者さんに相談し、どこの医院さんでも
「もうこの歯は抜くしかないですね」
と診断された方が多くお見えになります。
「抜くしかないですね」と突然宣告された患者さんは
「え?どうして?そんなに悪いんですか?」と質問すると
「歯周病(歯槽膿漏)がひどいですからね」
とその時はじめて言われ
「歯周病って何?」とびっくりしたのだと、おっしゃられるのです。
「抜くしかないですね」
と言われた後、患者さんの心は一気に不安になるます。
☑この若さで歯を抜く?
☑抜いた後、私はどうなるの?
☑もしかしてこの若さで入れ歯?
☑歯周病(歯槽膿漏)がひどいってことは、
もしかして他の歯も抜かないといけないところがあるってこと?
こんな不安が一気に心の中を巡ります。
お話をじっくりお聞きすると
どの患者さんも50年から60年の人生の中で
数十件以上の歯医者さんにかかり、
そして述べ百何回も通院されておられます。
小さい頃から
虫歯のたびに「削って詰めて」の虫歯治療を繰り返してきた・・・・
その結果、今のお口の状態にまでなってしまった。
「私自身がもっと昔から歯の手入れをしていれば
こんなことにはならなかったのに」と悔やんでご自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
50代、60代になって多くの歯を失ってしまったり
合わない痛い入れ歯やブリッジで「噛めない」状態で苦しんでいる方は
私のところへ来られお口の状態を見ながらきちんとご説明をすると
かならずこうおっしゃられます。
「吉本先生、どうしてこんなことを今まで誰も教えてくれなかったんでしょう?
もし、知っていたら、私はここまで歯を失ってここまで噛めないことで苦しむことは
なかったと思うんです」
「どうして今まで誰も教えてくれなかったのか?」
この言葉を向き合った患者さん達から言われるたびに私は
「ああ、情報が足りてないんだ。
50代になった時、60代になった時、70代になった時、それ以降も
自分の歯できちんと噛めるようにするための情報が
極端に少ないんだ」と感じたのです。
- 歯を失わないためにどうしたいいのか?
- 私達はどうやって、歯を失っていくのか?
- 歯を失わないための歯科治療はどういうものなのか?
ご存知ない方がほとんどです。
多くの歯を失ってしまった患者さんは
ご自分のお口の中が一体どうなっていて
どうすれば本当によくなっていくのかを
まったくご存知なかった方がほとんどでした。
「先生、私の歯磨きができていなかったからです」と
ご自分ではおっしゃいますが、
実は歯磨きだけの問題では、ないのです。
「知る」ということが
実はとても大事なことなのです。
- 虫歯ができた
- 歯槽膿漏(歯周病)で歯がグラグラ
- 歯が折れた
- 歯が抜けた
- 歯茎が腫れた
- 歯の神経を抜かなくてはいけなくなった
多くの方は、こうなった時、あわてて歯医者さんに飛び込みます。
そして、痛くなったところを削って詰める。
悪くなったところは抜いてしまう。
腐ったものは除去してしまおう、という発想です。
こんな治療を繰り返してこられた方がほとんどです。
しかし、
虫歯、歯周病(歯槽膿漏)、
歯が折れた、
歯が抜けた、
歯がグラグラしてきたなど、
歯が悪くなったり歯を失う原因はいろいろありますが、
「そもそもそうなってしまった原因」は何なのでしょうか?
もう既に歯を何本か失ってしまっている場合には、
その時、歯がなくなった原因は一体何が原因だったのでしょうか?
この質問をすると多くの方は、「?」という表情をなさいます。
「え?歯槽膿漏(歯周病)だったからだと」
「え?虫歯がひどくなってたからだと」
「え?歯が折れたので・・」
と、お答えになられます。
虫歯、歯周病、歯が折れた割れた等の症状は結果にしかすぎません。
かならずそうなってしまった原因がお口の中にはあるのです。
しかし、その根本原因を患者さんご自身が知らないことがほとんどです。
それらの病気を引き起こしている根本的な原因は「かみ合わせ」と「細菌」なのです。
多くの方は歯が悪くなる原因は「自分が歯みがきを怠ったからだ・・・」と思い込んでいる方がほとんどです。
ここで少しあなたご自身のお口の中を
鏡でご覧になってみて下さい。
歯医者さんで治療した部分がいくつかある方も多いでしょう。
銀の被せ物や詰め物が入っている方もいるでしょう。
部分入れ歯が入っている方もいるでしょう。
ブリッジでつないでいる方もいるでしょう。
過去に治療した部分を何度も再治療していることに
気がつかれたでしょうか?
歯医者さんに行く理由の中で
「詰め物が取れたんです」
「被せ物がはずれたんです」
「ブリッジがグラグラして外れそうなんです」
こんな内容で歯医者さんに電話したことは
過去に何度もありますよね?
過去の治療の再治療を繰り返しているわけです。
最初は小さな虫歯だったかもしれません。
小さな虫歯を削って小さな詰め物をしていました。
何年かしてその小さな詰め物部分がまた虫歯になってしまいました。
小さな詰め物を外し、虫歯部分を更に大きく削り取り、今度は削った部分を覆い被せる大きな被せ物をしました。
また何年かして今度は被せ物が外れてしまいました。
銀の被せ物がはずれた部分を見てみるとバイキンによってドロドロに溶かされた歯の根っこが見えていました。
歯の根っこまでバイ菌がきてしまった歯を残すことは大変難しく、
こうなったらもう従来型の歯科治療では「この歯の神経は抜きましょう」ということになってしまいます。
神経を取った歯の強度は10分の1まで落ちます。
神経を取るということは神経の中にある血管も一緒に取り除くことを意味します。
血管を取り除くと、栄養が歯にいかなくなります。
栄養がいかない神経を取った歯は少しの力がかかることであっけなく折れたり割れたりするのは、当たり前です。
神経のない歯が折れたり、割れた場合には、もう歯を抜くしか方法がありません。
多くの日本人は、このような順番でドミノ倒しのように歯を失っていきます。
そして80歳になった時に、残っている歯はわずか8本、というのが現実なのです。
8本では、何も噛むことはできませんし、入れ歯で苦痛に耐える生活を過ごすことになってしまうのです。
「同じところが何度も虫歯になる」
には、必ず再発する原因があなたのお口の中にあります。
その原因は、患者さん自身の生活習慣かもしれませんが、
もうひとつ大きな原因として、「そもそも歯が壊れやすい状況であった」ということも、あるのです。
それが、噛み合わせの問題です。
過剰な負担がかかっている歯は、
どんなにばい菌を殺しても
どんなに自費のいい材質の詰め物、被せ物をかぶせても
日々の噛む力によっていとも簡単に壊れます。
ここでいう壊れる
とは
☑被せ物、詰め物がすぐ取れる外れる割れる
☑歯が折れる
☑歯が割れる
☑歯が揺さぶられグラグラしてくる
ということです。
日本人の寿命は大幅に伸びました。
80歳、90歳は当たりまえ、という時代です。
100歳以上の人口が5万人を超えました。
単なる長生きではなく、自分の足でどこにでも行けて、
自分の歯でちゃんとみんなと同じ食事をすることができる。
これから私達が本気で考えなければいけないこと、それは
「単なる長生きではなく、質の高い人生」をいかに現実にしていくか、ということです。
その鍵となるのが「かみ合わせ」であると私は確信しています。
みなさんの歯とアゴは、全身のバランスを保つ重要な器官です。
もっと詳しく言えば、あなたの下顎(したあご)は、全身バランスを司る重要な器官なのです。
歯の噛み合わせというのは、実は地盤である下顎(アゴ)の骨の状態から考えなくてはなりません。
まず下顎の構造を知って下さい。
下顎というのは、頭蓋骨に対して固定されることなくただぶら下がっているものなのです。
右へブラリ、左でブラリ、頭蓋骨に対してこうやって
ぶら下がっているのです。
あなたの下の歯と下顎はくっついて一体化されている位置関係です。
上の歯はどうでしょう?
頭蓋骨にくっついていますね。
ご自分の頭蓋骨を触ってみながら確認してみて下さいね。
①上の歯は、頭蓋骨にくっついている存在
②下の歯は、下顎にくっついて固定されずぶら下がっている存在
こうやって下顎はぶらんぶらんと右へ左へと大きく揺れます。
頭蓋骨に固定された上顎とは違い、下顎はこうして自由に動けるようになっています。
下あごが自由に動けなくなっている方は
さまざまな症状が出ます。
☑口があきにくい
☑頭痛や肩こりがひどい
☑耳鳴がする
☑顎の動きが悪い
☑顎が痛い
いろいろな症状が出ています。
下顎は正面からみるとこんな感じです。
下顎は振り子のような存在になっているんです。
体の動きに対して体の重心を整えるための「振り子」のような役目をします。
下顎は体の中で左右に渡ってぶら下がっている唯一の器官です。
私達は、下あごが右へ左へと振り子のように自由に動けることによって私達は、平衡感覚を保っていられるのです。
つまり、まっすぐ歩くことができたり
まっすぐ立つことができるのです。
下顎がおかしいと全身のバランスを崩してしまう、ということが起こります。
「良い噛み合わせ」とは
下あごが無理な力がかかることなく自然にぶら下がっている状態
と私は考えています。
つまり下顎がちょうど「振り子」のようにスムーズに動けるようになっていることが必要です。
歯を削ることにより噛み合わせは簡単に崩れます。
奥歯を1本失っただけで、あっけなく噛みあわせは崩れます。
歯医者は歯を元の歯通りに治すことは、できません。
できるのは悪くなった部分を削ったり補修したりしてリフォームすること、です。
または、柱を失った場合には、新たな柱を建てたりすること、だけなのです。
完全にもとのあなたの健康な歯そのものに生き返らせることはできないのです。
何度も何度も同じところを治療し、その度に削っては詰めて、削っては詰めてを繰り返してきた。
その結果、噛むために必要な
歯の強度を失ってしまった、
歯の神経を取ってしまった、
壊れて抜かなければならない
ということが起こっているのです。
例えば、あなたの家族がタバコの吸いすぎで重度の肺炎になったとします。
どんどん息苦しくなってきたので、病院に駆け込みます。
お医者さんには、「なんでこんなになるまで放っておいたのか?」と言われました。
何週間かかけてお薬を飲んだりして、治療をしました。
めでたく息苦しさは和らぎました。
楽になったので、大好きなタバコを吸えるようになりました。
しかし、これでこの方の肺炎は治ったのでしょうか?
病院では、たちまち痛みを抑える薬などを処方してくれます。
そして痛みという症状を押さえることは、できます。
しかし、肺炎になってしまったそのものの原因であるタバコの煙や口腔内細菌を取り除いたわけではありません。
肺炎になった原因がどこにあるのか?
原因を突き止めて除去しないとまた、同じように症状が出たら薬を飲んで押さえるということを繰り返すようになってしまいます。
全てが対症療法的なものの考え方に成り立っていては、それがダメならまた別の方法というようにいつまでたっても終点のない、いたちごっこです。
肺炎はいまや脳血管疾患を抜いて死因3位です。
高齢者(65才以上)では死因1位です。
歯科でもこれと同じことが今、起こっているのです。
虫歯ができた
↓
歯が痛い
↓
歯医者に駆け込んだ
↓
痛い部分を削って詰めて治療した
↓
虫歯は治った・・・・と思い込む
悪くなったらまた治してもらえばいい・・・と思い込む
そしてまた、同じところが再度虫歯になってしまうという繰り返しです。
対症療法とは逆に、原因を辿りそれを取り除いていく方法を、
「根治療法」と言います。
原因をとり除かなければ、結果は繰り返します。
何か問題が起こるには、かならず原因があります。
前歯がいきなり前に飛び出てくるには、
必ずそうなる原因がお口の中にあります。
同じ部分が何度も虫歯になるのには、
必ずそうなる原因があります。
かぶせ物が何度もはずれるのには、
必ずそうなる原因があるのです。
それが「噛み合わせ」です。
歯科は外科と同じです。
交通事故で足を失ってしまった場合、どうなるのでしょうか?
傷口から出血や感染をするので治療をしてくれた。
消毒や痛みを和らげる痛み止めをもらった。
これで治療は終わりましたと言われ、命が助かったことに喜んだが、歩けない。
見た目を相談すると、義足を手配してくれた。
外科は、悪くなったところを切り取って代替のものを補うという考え方です。
決して失ったあなたの歯をもう一度生まれ変わらせて、元の同じ新しい歯を生やすことなどできません。
☑何度も同じところが虫歯になる
☑歯槽膿漏(歯周病)だと診断された
☑前歯が若い頃に比べて飛び出してきた
☑歯茎の腫れや出血、口臭が気になるようになってきた
☑入れ歯が何度作り直しても合わない痛い
☑歯がグラグラしてきた
☑歯の神経が痛い
このような症状がある場合には、まずは「原因」を突き止めることスタートです。
知らなかったために、日本人は歯を失い続けています。
虫歯で歯が痛い
歯がグラグラする
歯茎が何度も腫れる
歯が折れた
歯が割れた
詰め物、かぶせ物がはずれる
これらはすべて症状(結果)です。
かならず、あなたのお口の中に症状を引き起こしている(原因)があるのです。
私の場合は、どうかしら?と思われた方はどうぞお気軽にご相談下さい。
現状を正しく知ることで、10年先のお口の状態は簡単に予想することができることをお伝えしたいのです。
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